交通事故の加害者になったら、どのタイミングで弁護士の呼び出しを行えばいいのか

交通事故の加害者になってしまった場合、事故の内容によっては警察に逮捕される可能性があります。もし逮捕されたら、最低数日間は拘留され、外部との連絡が取れなくなってしまいます。したがって、できるだけ早く弁護士を呼ぶといいでしょう。

弁護士は加害者本人が呼ぶこともできますし、家族に呼んでもらうことも可能です。


交通事故を起こしても必ず逮捕されるとは限らない

交通事故を起こしても必ず逮捕されるとは限りません。もし、軽微な事故であっても加害者が絶対に逮捕されると決まっていたら、警察の留置場内は事故の加害者であふれかえってしまうでしょう。事故の相手が重傷を負った、あるいは死亡してしまったという場合は逮捕される可能性が高いです。

実は警察が逮捕権を行使するためには必要な要件が二つあります。逃亡する恐れがあること、もう一つは証拠隠滅を図る恐れがあることです。したがって、本来であれば事故の加害者になって相手に大けがを負わせてしまったとしても、警察に対して非常に協力的な態度を取れば逮捕されることはないはずですが、実際にはどれだけ協力的であっても手錠をかけられることはあります。

その場合、警官が証拠隠滅の恐れありと判断したからということになるでしょう。不当逮捕ということで弁護士を呼んで争うことも可能ですが、主張が認められる可能性は高くありません。

(交通事故専門の弁護士は全国各地にいるので万が一の時には相談を)

いくつかの理由で勾留期間が長引く可能性がある

飲酒運転に加えて信号無視をした、あるいは違法薬物を摂取した状態で事故を起こしたなど、悪質な事故で警察が調べないといけないことがたくさんあるという場合を除き、大抵、逮捕されても二日以内には釈放してもらえるでしょう。

ただ、まったく反省していない、あるいは住所不定で釈放したら逃亡の恐れがあると判断された場合は検察に送致されます。こうなると簡単には釈放してもらえないので、すぐにでも弁護士を呼んだ方がいいでしょう。なぜ弁護士を呼ぶ必要があるのかというと、この段階では家族が加害者に会うことはできないからです。

加害者と家族が直接会って話した場合、加害者が証拠隠滅を指示してしまうかもしれません。そういうことがあるので弁護士が家族の代理人になるわけです。弁護士を呼ぶことによって差し入れしてほしいものを頼んだりすることもできます。

お金がないなら当番弁護士制度を利用する

では、弁護士を呼ぶためにはどれぐらいのお金がかかるのでしょうか。弁護士はボランティアというわけではないので、きてもらうためにはお金を払わなければなりません。弁護士によっても違いますが30万円前後と考えておいた方がいいでしょう。

もちろん、警察に逮捕された加害者が直接支払うということはできないため、釈放されてから払うか、もしくは家族が払うことになります。ただ、30万円持っていないと弁護士を呼べないということであれば、それだけのお金を持っていない自分は無理という加害者も出てくるでしょう。

お金を持っていない人はどうすればいいのかというと、当番弁護士制度を使いましょう。当番弁護士制度とは一つの事件に対して一回だけ、弁護士が無料で接見してくれるという制度です。お金を払って依頼する弁護士と違い、差し入れを含め、頼んだことをいろいろやってもらえるわけではありませんが、アドバイスをもらうことができます。

当番弁護士を呼ぶための方法

当番弁護士に連絡するためにはどうすればいいのでしょうか。これは、逮捕された地域にある弁護士会に依頼しましょう。依頼の仕方はいくつかあります。たとえば、警察に逮捕された段階で加害者自ら、警官に当番弁護士を呼んでほしいと頼むことができますし、警察から「あなたの家族を逮捕しました」という連絡を受けた身内が弁護士会に電話して頼むこともできます。

弁護士会は依頼を受けるとどの弁護士を派遣するか決めますが、逮捕された人やその家族が「この弁護士をよこしてほしい」と選ぶことはできません。また、選ぶ意味もほとんどないといえます。というのは、当番弁護士ができるのは事故の加害者として逮捕されたら、こういう風になるという説明ぐらいだからです。

つまり、当番弁護士は事件の弁護などとはまったく関係ないので優秀な弁護士を指名するといったことは無意味なのです。

弁護士に依頼することで被害者との示談交渉を進められる

ただ、当番弁護士に引き続き、担当してもらうことは可能です。逮捕された人からすれば、ころころと弁護士が変わるよりも、最初に自分に会いに来てくれた弁護士がそのまま担当してくれた方が安心といえるでしょう。もちろん、この場合は弁護士に対してお金を支払わなければなりません。

依頼された弁護士ができることはいろいろとありますが、重要な役割として被害者との面会、および示談交渉が挙げられます。事故の内容によりますが、被害者と和解できれば不起訴、示談できなかったら起訴されるというぎりぎりのラインであれば、この時点で弁護士と契約することにはとてつもなく大きな意味があります。

というのは、弁護士が示談交渉をまとめてくれて不起訴処分が下れば前科がつかないからです。前科の有無は後々の人生に大きな影響を及ぼします。

弁護士と信頼関係を築こう

弁護士が面会にきてくれたとき、一つ重要なことがあります。それは真実を包み隠さず話すということです。都合の悪いことは隠す、あるいは嘘をつくということを繰り返していると、弁護士は辞任してしまう可能性があります。

弁護士は依頼を受けたら絶対に断れないとか、一度、契約したらやめられないというわけではありません。この人の弁護はできないと判断したらやめるのは自由なのです。そうなれば、被害者との示談交渉はできず、最終的に起訴されてしまう可能性が相当に高まるでしょう。

裁判でも弁護士の力が必要になる

弁護士と信頼関係を築いたものの、残念ながら不起訴にならず、裁判の被告になってしまった場合も弁護士の役割は重要です。弁護によって、執行猶予の有無が決まってくるからです。仮に執行猶予がつかずに実刑となった場合、交通事故の加害者だと交通刑務所に入れられる可能性が高いです。

交通刑務所は一般的な刑務所と比べれば多少は自由で、それほど厳しくないといわれていますが、刑務所に入れられることには変わりありません。当然、仕事を失う可能性が高いですし、人生は大きく変わってしまうでしょう。

執行猶予がつけば刑務所に入れられることはなく、基本的にはこれまで通りの生活を続けることができます。

(離婚や交通事故での法律的ポイントとは?弁護士相談も要検討)